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ビアトリクス・ポター

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ビアトリクス・ポター

ビアトリクス・ポター Beatrix Potter (1866-1943)

ビアトリクス・ポターの人生は、芸術と切り離すことができません。幼い頃から、彼女は博物学、きのこ類の研究、考古学、化石、農業などに興味を持ち、学んだことについてはどんなものでも、写生したり記録したりすることが大好きでした。ビアトリクスは、1866年7月28日にケンジントンボルトンガーデン2番地で生まれ、ビクトリア時代の裕福な家庭の子供として、他の子供達と変わらない幼少時代を送りました。最初は乳母が、続いて何人かの家庭教師が家の二階にある子供部屋で彼女の世話をし、ここで彼女は学校へ通う子供が持たないような興味をふくらませていくことになるのでした。のちに彼女自身も、「この環境は堅苦しい学校より良かった。」と書いています。

このような興味の対象は、まずビアトリクスが弟のバートラムと子供部屋で飼っていた多くの動物に向けられました。ピーター・パイパーと名づけられたうさぎやイモリ、蛙、こうもり、蛇のような動物までいました。彼女は、これらの動物を繰り返し写生しました。彼女は大きくなるにつれて、動物だけでなく田舎の風土にも興味を持つようになっていきました。ビアトリクスいわく、「目に入る全ての美しいものを描き写したいという抵抗しがたい欲求がある・・・上手でなくても、私は描かなければならない。」

写生の格好の機会は家族旅行でした。一家は、4月の2週間を海辺で、夏の3週間は田舎で過ごすのが常でした。当初スコットランドのパース州のダルギーズを避暑地として選んでいましたが、1882年からは主に湖水地方に滞在しました。ビアトリクスはダルギーズの郵便配達員チャールズ・マッキントッシュから多くを学び、きのこに美しさを見出すようになりました。稀な種類についても知るようになり、その繁殖の過程について観察しました。描いたきのこの絵画は250点以上、こけの絵画は40点以上にもおよび、顕微鏡を使って繁殖の過程を研究するようにもなりました。こうして得られた成果は論文としてまとめられ、「きのこの胞子の発芽について」という題で当時最新の科学を論ずる学会(Linnean Society)において発表されました。現在では彼女の理論の正しさが証明されていますが、当時はその正当性は認められませんでした。

その後、ビアトリスクの興味は、違った方向にも向かっていくようになります。新しい顕微鏡を買う費用を得るため、動物のイラストをカード生産者に売りました。またロンドンウォール近くで1872年から翌年にかけて発掘された品々を借り、一世紀以降のローマ時代の飾り物や靴、楽器、道具などを念入りに記録しました。ビアトリクスはまた、化石についても学びました。

 

ビアトリクスの興味は様々に変わっていきましたが、絵入りの手紙で数人の子供と文通する習慣は変わりませんでした。最も良く知られている手紙は、1893年に最後の家庭教師の長男ノエル・ムーアに宛てて書かれたもので、この手紙は7年後に「ピーターラビットのお話」の基礎となりました。

 

このあとに出版される数々の本にあるさし絵や文章はいずれも、小動物だけでなく花やきのこ、鳥、昆虫に関してのビアトリクスの広い知識を示しています。本を出版したフレデリック・ウォーン社のノーマン・ウォーンは、ビアトリクスを励まし、適切な批評を与えました。ノーマンはビアトリクスにプロポーズし彼女も承諾しましたが、悲しいことに、婚約が皆に知らされる前にノーマンは亡くなりました。

1905年、ビアトリクスは湖水地方のニアソーリーに、初めての所有地であるヒルトップファームを手に入れます。印税による収入が増え続けるのにしたがって、さらに、小さな農場や土地、住宅を購入しました。この頃、地元の弁護士であったウィリアム・ヒーリスが、地所の購入や管理にあたって彼女を助けていました。1912年、ウィリアムはビアトリクスに結婚の申込みをし、1913年10月ケンジントンにおいて二人は結婚しました。ニアソーリーにある所有地のひとつキャッスルコッテッジが新居となりました。

ビアトリクスは、広がる所有地の管理と愛する湖水地方での生活にますます没頭していきます。ウィリアムは、彼女に家族や友人を紹介し、また自分が会員であったアーミット図書館へもつれて行きました。

ビアトリクスとウィリアムは互いに献身的な愛情を注ぎ、結婚生活は楽しいものでしたが、ビアトリクスは1943年のクリスマス直前に亡くなりました。遺骨は彼女自身の希望により「世界で最も美しい場所」と彼女が形容した丘の合間に、飼育担当のリーダーであったトム・ストーリーによってばらまかれました。

アーミットにおいて、ビアトリクス・ポターは大変重要な人物です。彼女は、価値あるきのこやこけの絵画とそのための顕微鏡による習作をアーミット図書館に寄贈しました。また、原物が失われたために大変貴重になったローマ時代の器物や、ビアトクスの父親と彼女自身による蔵書も寄贈しました。この蔵書に関する書簡が今でも残されており、その中で彼女はこう書いています。「私の本たちが穏やかな住みかを見つけたことをうれしく思っています。家族の財産をオークションにかけなければならないというのは悲しいことであり、父の自慢のこんなにたくさんの蔵書がただ同然で売られるのを知ったら、父はたいそう腹をたて立てたことでしょう。なにしろ、本は山ほどあるのですから。」アーミットは「ピーターラビットのお話」の初版本を含むビアトリクス自身の本と彼女に関連する本を所蔵しています。アーミットのコレクションはビアトリクス・ポターの人生におけるいくつかの重要な時期を反映しています。

Parasol mushroom Lepiota Procera by Beatrix Potter Newts Drawing, of the sole of a nail studded shoe, drawn from three angles

 

アーミット美術館では、ビアトリクスのきのこの絵画を展示し、定期的に入れ替えています。訪問者は、館内のキャビネットで展示されていない他の作品も見ることができます。またビアトリクスが生前使っていたものも見ることができます。事前の予約とマネージャーの判断により、公開されていない所蔵品も見られる場合があります。

アーミットのコレクションは405点を所蔵しています。(きのこの習作229点、こけの習作107点、顕微鏡習作69点)

書籍リスト

 
初期:

Beatrix Potter;The Unknown Years 

  

Elizabeth Battrick

A Victorian Naturalist Eileen Jay, Mary Noble, Anne Hobbs
Beatrix Potter‘s Journal Beatrix Potter
Beatrix Potter - Artist, Storyteller and Countrywoman           Judy Taylor
Beatrix Potter’s Manchester Roots and Armitt Connection Eileen Jay
The Tale of London Past: Beatrix Potter’s Archaeological Paintings at The Armitt  Eileen Jay
A Fascinating Acquaintance Charles McIntosh and Beatrix Potter
中期:

Beatrix Potter - Artist, Storyteller and Countrywoman

 

Judy Taylor

The Tale of Beatrix Potter Margaret Lane
Beatrix Potter: 1866-1943 Taylor, Whalley, Hobbs and Battrick
Beatrix Potter‘s Art Anne Hobbs
Letters to Children  Judy Taylor
Beatrix Potter‘s Derwentwater  Irene Whalley and Whynne Bartlett
Marriage and the Farming Years: Beatrix Potter - Artist, Storyteller and Countrywoman   Judy Taylor
The Choyce Letters Warne
Beatrix Potter‘s Americans  Jane Morse
The Real World of Beatrix Potter Elizabeth Battrick
 The Tale of Mrs William Heelis: Beatrix Potter  John Heelis

 ビアトリクスに関する書籍や彼女の作品は ミュージアムショップで買うことができます。

 この作品リスト にはアーミット図書館が所有するビアトリクスのきのこの水彩画全作品が載っています。ダウンロードするのに数分かかる場合があります。  

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